今日がうれしくなる器

夏を彩る磁器の器

2014/07/11

日本には全国に個性豊かな器が存在し、さまざまな文化やつくり手の思いを伝えています。またそうした品々の存在は日常に華やぎを与えてくれるものです。そこで器ギャラリーオーナーに、日々の暮らしや季節の移ろいを彩る器をご紹介いただきました。

朝降った雨があがり、庭の大きな花瓶に生けられたブルーベリーの上でしずくがきらきらと輝く梅雨のある日。ギャラリー夏椿の恵藤さんを訪ね、初夏にぴったりな磁器のお話を伺いました。

主役にも、間にも

「磁器は、すっきり、きりりとした印象があり、夏と相性のいい器だと思います。特に夏の始まりには、青磁など涼しげな色の器が似合いますね」と恵藤さん。一枚だけでも存在感はあるが、他の器を引き立てる美しさがあるのも魅力だとか。「今回ご紹介する安齋新さん、厚子さんの器には品を感じます。凛とした雰囲気があり、木やガラス、力強い風合いのものと合わせてもけんかせず、互いを引き立て合い、夏のテーブルをつくるのに重宝する器といえますね。重く力強い伝統的な器は、かっこいい食卓をつくってくれますが、一方で組み合わせを間違えると重くなりすぎてしまいます。でもこうした磁器は、力強い器と合わせても“さま”になる。主役にもなるし、間に差し込んでいくこともできる器です」。

「器単体で見るだけでは、どう使えばいいのだろうと感じたり、さらりとしすぎる印象のものもあるかもしれません。でも実際に盛りつけをすると、料理をおいしそうに見せてくれたり、単体で見るのとはまったく違う印象を与える器があります。安齋さんの作品は、料理をひきたてるお皿として、料理好きの方や、料理家さんのファンも多いですね」。

 

伝統的な磁器の様式をふまえつつも、新しい感性が光るのも安齋さんご夫婦の器の特長だ。「伝統と新しい感性。どちらがかけてもつまらないと思います」と恵藤さん。両方を兼ね備えていることで、和食との相性はもちろん、洋食に用いても違和感なく、料理を引き立てる懐の深さがある。

「器選びも洋服と同じで、大好きな一枚を選んでもいいし、他のワードローブとのバランスを考えて、今どんなものを持っているのか頭の片隅におきながら選ぶのも楽しい。夏のテーブルを飾るアイテムとして、磁器をうまく取り入れて、涼やかさを演出してみてください」と恵藤さんにアドバイスをいただいた。

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