和食の楽しみ方入門

上品で美しい食べ方を覚える

2015/01/08

「このお料理、きれいに食べるにはどうすれば?」と思うことはありませんか?
人前で「この食べ方美しくないかな?」と、ちょっと不安に思いながら、その場をしのぐことも多いと思います。今回は「上品で美しい食べ方」について、料理研究家 久保香菜子さんに教えていただきました。

こんなお料理どうしてますか?

少しかしこまった会食の席などでは、おいしく、そして美しくお料理をいただきたいものです。でも、どうしたら美しく食べることができるのか、そもそもどこまで食べることができるのかなど、わからないことは多いもの。今回は、美しく食べるにはコツが必要なお料理を取り上げ、食べ方についてご紹介します。

華やかな一皿として、料亭などでもよく供される海老のお料理。しかし、一方で手が汚れやすく、美しく上品に食べることが難しいお料理でもあります。海老の頭はどのように取るのか、殻は手でむいていいのか、しっぽは食べるものなのかなど、久保さんに食べ方のコツと手順を教えていただきました。「煮た海老の場合は、頭の固い殻としっぽ以外は、食べることができます。細々と殻をむくことがはばかられるような場では、軟らかい殻は食べてしまうことも一つの方法です」と久保さん。また、手を使って殻をむくことになりますので、手を汚したくない時は、懐紙などを用いるのがよいということです。

1.海老の頭を左にお皿に置きます。
(右利きの方の場合)

2.頭の殻に指をかけて、殻を取り外します。

3.頭を丸ごと取り除く方もいらっしゃいますが、頭の殻の中にある身や味噌もおいしいので、殻のみ取り外しましょう。

4.頭の殻を取りはずせば、しっぽ以外の殻は軟らかいので、すべて食べてしまうことができます。

5.殻をすべてむく場合は、頭の殻の中にある身や味噌もおいしいので味わうといいでしょう。

6.殻は、一ヵ所に寄せておきます。

7.むいた海老を箸で取り、いただきます。殻をむく作業は手で行いますが、手で口まで運ぶのではなく、箸を使いましょう。

8.しっぽの部分も殻とともに寄せておきます。

9.最後に懐紙を用いて目隠しすると、より美しいでしょう。

串料理もさまざまなシーンで登場する、人気のあるお料理です。しかし、正しい食べ方は?と聞かれると、自信を持って答えることができる人は少ないかもしれません。「串を右手で持って、そのまま口に運ぶのではなく、左手で持ち、箸ではずすと、美しく上品に食べることができますよ」と久保さんに教えていただきました。

1.和食の場合、串の柄は必ず右側を向いています。

2.串の柄を左手で持って、左側に向きを変え、串に刺さっているお料理を箸で取りはずします。

3.串に刺さったお料理をすべて取りはずしたら、箸で一つずつ口に運びましょう。