暮らしの中の、小さな知恵

煮込み料理が賢いヒミツ。

発酵美食×暮らし上手

2016/11/25

いよいよ本格的な冬を迎え、温かな料理が恋しくなる時期。なかでも煮込み料理は、冬の食卓にあがる定番料理のひとつ。そして、嬉しいポイントがいっぱいの“賢い料理”でもある。
「シンプルなポトフ、塩豚と野菜の煮込み、手羽肉と大根の煮込み……。煮込み料理は、よく作りますね。私にとっては、忙しい時に焦って作るものではなく、心に余裕がある時に作るもの。量もたっぷり作ります。ただ、時間はかかるけれど、実はそれほど手間はかからないんですよね。一度冷めると味がなじむので、次の日も美味しく食べられるのも煮込みの嬉しいところです」と、料理家の江端久美子さん。
江端さんの煮込み料理は、旨味が出る食材と、旨味を吸う食材を組み合わせるのが基本。煮込むことで溶け出した食材の旨味によって、その他の食材もスープも、美味しく仕上がるというわけだ。さらに、味つけはシンプルにしているから、多彩なアレンジが可能。旨味が凝縮した“だし”の感覚で、さまざまな料理に展開できる。
そこで今回は、江端さんに煮込み料理が賢いポイントと、とっておきの煮込み料理レシピ、さらに、そのアレンジレシピを伺った。

煮込み料理が賢い、3つの理由

① 火にかけて放っておくだけで、美味しく仕上がる
煮込み料理は、火力と時間が美味しくしてくれる料理。火にかけたら、あとは特別に手を加えなくても、ことこと煮込むだけで美味しくできる。煮込み料理におすすめなのは、保温力が高く、素材にじんわりと火を通す厚手の鍋。ゆっくり旨味を引き出すだけでなく、火を止めた後も温かさが持続するから、余熱を利用して調理ができるメリットも。

② シンプルに作れば、2日目、3日目もアレンジして楽しめる
そのまま食べるのはもちろん、味つけをシンプルにしておけば、簡単にアレンジできるのも煮込み料理の魅力。もともと完成された料理なので、食材や調味料を足しても味が決まりやすく、最後まで飽きずに楽しめる。豚肉や鶏肉などの具を食べやすい大きさに切り、好みの野菜と一緒にパンに挟んで、サンドイッチにするのも◎。

③ 冷凍保存ができるから、長く献立を支えてくれる
忙しい日の献立作りを助けてくれるのが、冷凍庫のストックおかず。煮込み料理は冷凍保存OKなので、時間がない時も温めるだけで一品でき上がる。冷凍する時は、具のパサつきを防ぐためにスープと一緒に保存容器へ移し、2週間を目安に食べて。温める時は、冷蔵庫か常温で自然解凍してから鍋に移して加熱するといい。大きな具は小さく切って冷凍すると、パスタソースなど、他の料理に展開しやすい。

江端久美子さんが教える、
アレンジ自在の煮込み料理レシピ

江端さんが提案してくれたのは、定番とも言えるトマトベースと塩ベース、2つの煮込み料理とそのアレンジ。余分な調味料は入れず、素材の持ち味を生かした煮込み料理、ぜひチャレンジして!

<豚肉とごろごろ野菜のトマト煮込み>

豚肉と野菜、トマトの旨味がひと皿に凝縮された、ごちそう感のある煮込み料理。豚肉はかたまりのまま煮込んで、取り分ける際にカットするのがポイント。肉質がしっとりと、ジューシーに仕上がる。

[材料]4~6人分
豚肩ロース肉(かたまり)…500~600g
にんにく…2片
玉ねぎ…1 1/2個
れんこん…1節
にんじん…小2本
ブロッコリー…1/2房
Exvオリーブオイル…大さじ2

(a)
ホールトマト…1缶(450g)
白ワイン…50cc
ローリエ…1枚
水…1/2カップ
オレガノ(ドライ)…小さじ1/2

砂糖(好みで)…小さじ2
塩、こしょう…適量

[作り方]
【1】 豚肉は全体にしっかりと塩、こしょうをして、下味を付ける。にんにくは潰して芯を除き、玉ねぎは8等分のくし切りに、れんこんは皮を剥いて半分に切り、厚さ1㎝に、にんじんは皮を剥いて大きめの乱切りにする。ブロッコリーは小房に分けてかために茹でておく。
【2】 鍋にオリーブオイル、にんにくを入れて熱し、にんにくのいい香りがしてきたら、【1】の豚肉を入れて表面にこんがりと焼き目を付ける。
【3】 玉ねぎ、れんこん、にんじんを加えて、全体に油を回すように炒めたら、(a)を入れ、ひたひたになるまで水(分量外)を注ぐ。
【4】 豚肉と野菜にしっかり火が通るまで、50分程煮込み、塩、こしょうで味をととのえる(酸味が強い場合は、隠し味として砂糖を加えるとよい)。仕上げに、【1】のブロッコリーを加える。
【5】 豚肉を食べやすい大きさに切り分けて、野菜と一緒に器に盛り付ける。

●2日目は、こう楽しむ!

<トマト煮込みのしょうゆ糀うどん>

洋の煮込み料理が、ほんのひと手間で和の麺料理に変身! 旨味が強いもの同士のトマトとしょうゆ糀は、江端さんも絶賛する抜群の組み合わせ。スープの塩味によって、好みの量のしょうゆ糀を溶かして召し上がれ。

[材料]2人分
豚肉とごろごろ野菜のトマト煮込み…400g(スープを含む)
うどん…2玉
きゅうり…1/2本
小ねぎ…2本
三つ葉…適量
しょうゆ糀…大さじ2~3

[作り方]
【1】 <豚肉とごろごろ野菜のトマト煮込み>は、肉と野菜を食べやすいサイズの細切りにして、スープと一緒に温める。
【2】 きゅうりは千切りに、小ねぎは小口切りに、三つ葉は長さ2cmに切る。
【3】 うどんを袋の表示通りにゆでて器に盛り付けたら、【1】をかけて、【2】を散らす。仕上げにしょうゆ糀をかけて、混ぜながらいただく。

●使ったのは、こちらのしょうゆ糀

<プラス糀 生しょうゆ糀>

国産米を使用した糀と丸大豆の吟醸醤油で作られた、ナチュラルな味わいの調味料。上品な旨味と甘味があり、しょうゆの代わりに使うと、料理の美味しさがよりアップする。
プラス糀 生しょうゆ糀

<塩糀チキンと大豆の煮込み>

塩糀に漬けて旨味を引き出した鶏肉を主役に、塩、こしょうでシンプルに仕上げた一品。ひと口ごとに滋味深い美味しさが広がり、心も体もほっと安らぐ。大豆の代わりに、ひよこ豆を使うのもおすすめ。

[材料]4人分
鶏もも肉…2枚
塩糀…大さじ2
玉ねぎ…1/2個
にんにく…1片
Exvオリーブオイル…大さじ1
白ワイン…50cc

(a)
大豆(水煮)…300g
水…400cc
ローリエ…1枚
塩、こしょう、粗挽黒こしょう…適量

[作り方]
【1】 鶏肉は大きめのひと口大に切ってビニール袋に入れ、塩糀を全体にまぶして冷蔵庫で一晩置く。
【2】 玉ねぎは厚さ5mmの薄切りに、にんにくは潰して芯を除き、小口切りにする。
【3】 鍋にオリーブオイルを入れて熱し、【1】の鶏肉を皮目から入れる。焦げないように注意して、表面にこんがりと焼き目を付ける。
【4】 【3】ににんにく、玉ねぎを入れてしんなりするまで炒めたら、白ワインを加えて、鍋に付いた旨味をこそげ取りながらひと煮立ちさせる。
【5】 (a)を加えて鶏肉にしっかり火が通るまで15分程煮込み、塩、こしょうで味をととのえる。器に盛り付けて、仕上げに黒こしょうを散らす。

●使ったのは、こちらの塩糀

<プラス糀 生塩糀>

素材の味を引き出す生タイプの塩糀。自然の旨味がある万能調味料で、塩の代わりに使えば、煮物や和え物、炒め物がワンランク上の美味しさに! 
プラス糀 生塩糀

●2日目は、こう楽しむ!

<チキンと大豆の煮込みのパングラタン>

バゲットに旨味たっぷりのスープを吸わせて、アツアツのパングラタンに! 塩ベースの煮込み料理に生クリームを加えることで、乳製品ならではの旨味とコクをプラス。香ばしい焼き目が付いたチーズともマッチする。

[材料]2人分
塩糀チキンと大豆の煮込み…350g(スープを含む)
バゲット…2切れ
生クリーム…80cc
溶けるチーズ…60g
塩、こしょう、イタリアンパセリ…適量

[作り方]
【1】 耐熱容器に<塩糀チキンと大豆の煮込み>、ひと口大に切ったバゲットを入れ、上から生クリームを回し入れる。
【2】 塩、こしょうで軽く味をととのえたら、上にチーズを散らす。
【3】 オーブントースターで、こんがりと焼き目が付くまで焼く。仕上げに、イタリアンパセリを飾る。

江端久美子さん

料理家、フードコーディネーター

江端久美子さん

料理家、フードコーディネーター

江端久美子さん

スタジオ『mado-foodstudio』主宰。2015年に都内から山梨県大月市へ引っ越し、現在は山梨を拠点に活動中。
自宅にてパン・料理教室を開催するほか、雑誌や書籍へのレシピ提供、オリジナルの調理器具の企画なども行っている。

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