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発酵を訪ねる
手づくりの麹調味料で体の中から元気を育む
「Cozy Cafe & Bar beyond」の一汁八菜ランチプレート
2025/08/28
発酵を訪ねる
2025/08/28
大阪や京都からもアクセスがよく、緑豊かな自然に恵まれた北摂エリア、JR茨木駅から徒歩すぐの場所に2023年9月にオープンした「Cozy Cafe & Bar beyond」は、手づくりの麹調味料を使った料理が自慢のアットホームなカフェ。栄養バランス満点の体をいたわるごはんは幅広い年代の方々に支持され、リピーターも増えつつあるそう。その人気の秘密は? お店を切り盛りする菊川尊(きくがわたける)さん、綺華(あやか)さんご夫妻にお話を伺いました。
大きな窓から光が差し込む、明るくさわやかな店内。カウンターの棚には発酵途中の麹調味料の瓶がいくつも並びます。
「うちの店で使う麹調味料は、すべて無添加で手づくり。発酵過程で旨みが増し、料理に使うと食材のおいしさを引き出してくれます。たとえば見た目は普通の唐揚げでも、麹調味料で仕込んだ唐揚げは旨みがより複雑なんです」と尊さん。
食べてみると、確かに!と、 いろいろな旨みが押し寄せてきます。
「麹調味料は7~8種類を常備。定番は塩麹、しょうゆ麹、にんにく麹、しょうが麹、玉ねぎ麹の5つです。今日はトマト麹やだし麹もありますが、定番以外は季節や食材の状況で仕込むものが変わります。コンソメ麹、カレー麹、中華麹などが登場することも。それぞれ味わいが異なるので、どんな料理を展開しようか夫婦でアイディアを出し合い、日々試行錯誤しています」
発酵途中の麹調味料(一部)。左奥から、玉ねぎ麹、塩麹、トマト麹、しょうが麹、しょうゆ麹。
お店の常連さんの要望もあって、麹調味料は量り売りもしているそう(日によって種類は異なる。店の仕込み分を考慮し、量にゆとりがある場合に購入可能)。お客さん自身に空き瓶を持ってきてもらう形での販売がメインですが、少量から試せる30㎖のミニ容器での販売も。麹を食生活に取り入れてみたいけれど、自分でイチから調味料を仕込むのはちょっとハードルが高いと感じる人にぴったりのサービスです。
麹調味料は種類によるが、完成まで10日~2週間かかる。完成後、ブレンダーにかけるととろ~り(写真はトマト麹)。
菊川ご夫妻が麹にハマったきっかけは何だったのでしょう?
「最初は義母が麹のワークショップを受講し、妻も影響を受けて参加しました。その時に食べた玉ねぎしょうゆ麹のドレッシングがおいしくて感動し、家で再現してくれて。そこから夫婦で麹の世界にどんどん引き込まれました。お店を始める前はコロナ禍もあって、腸内環境をととのえて免疫機能をきちんと維持することの大切さを実感し、体にいいものを提供したいという思いが強くなっていきました」
菊川ご夫妻の信条は、英語のことわざにある“You are what you eat.” 直訳すると、「あなたは、あなたの食べたものでできている」。つまり、食べる物がその人の健康を育むということ。こだわりは麹調味料以外にも。国産の食材を選び、野菜は無農薬・省農薬で生産者の顔が見えるものを取り寄せています。旬の食材を中心に献立を組み、栄養満点で体の中から元気になれる料理を日々提供しています。
関西の地場農家でとれた、見るからに新鮮な野菜。旬の野菜は味が濃く、シンプルな調理でおいしさが引き立つ。
「常連のお客様には『お店で食べた翌日は体の調子がいい』とおっしゃる方も多く、そういうお声を聞くと本当にうれしいです。実は私たち自身も麹生活を続けるなかで体調の変化を実感しています。夫は昔、恒例行事のようにインフルエンザにかかっていましたが、麹生活を始め、かからなくなりました。今では風邪もめったにひきません。私はお客様から『お肌がきれいね』とほめられることが増えました。麹生活で腸内環境がととのい、野菜もたっぷりとっていて、お通じがいいからだと思っています」
笑顔が素敵な菊川ご夫妻。調理や盛り付けも息ぴったり!
お店のイチオシは、「beyond手づくり麹の一汁八菜ランチ」。塩麹ごはんと一汁三菜(汁物は麹スープ、主菜2品は4種麹漬け国産鶏唐揚げと塩麹焼鮭、副菜の麹ドレッシングの野菜サラダ)は固定で、いろいろな麹調味料を使ったおばんざいが5品ついて八菜です。彩りがよく、野菜たっぷりで栄養バランス満点! おばんざいは日によって内容が変わるので、来るたびに新しい味に出合えるのもうれしいですね。お客さんからの要望が多く、今はテイクアウトにも対応しています(beyondボックス/スープはなし/夜も注文可)。
この日のおばんざい5品は左から時計回りに、ズッキーニの焼きマリネ、つるむらさきのお浸し、ビーツのピクルス、
かぼちゃのミニコロッケ、中央はなすの大葉みそ炒め。
特に「4種麹漬け国産鶏唐揚げ」はお客さんからの評判がよいおかず。塩麹、しょうゆ麹、にんにく麹、しょうが麹を使い、ごはんがすすむしっかりした味です。
「体にいいことはもちろんですが、満足感も大事なので、4種類の麹調味料の合わせワザで旨みがしっかり際立つ唐揚げに仕上げています。また、麹菌が生み出す酵素は肉をやわらかくする効果もあります」と尊さん。
左 カットした鶏肉に4種類の麹調味料をからめてやわらかくジューシーに。
右 テイクアウト用のランチボックスも、4種麹漬け国産鶏唐揚げが一番人気(ほかにジンジャーポークや蒸し鶏を
主菜にしたランチボックスも)。
店内で楽しめるもう1つのランチは、塩麹ごはんと四菜を盛り合わせた「スペシャルプレート」。主菜と麹ドレッシングの野菜サラダ以外に、麹調味料を使ったおばんざいが2品つきます。この日の主菜はあじフライ。塩麹を使った野菜たっぷりのタルタルソースをかけていただきます。さっぱりして、野菜の食感がいいアクセントに。
ゆで卵は使わず、野菜たっぷり。さっぱりした味わいのタルタルソースだから、罪悪感なく食べられる。
「暑い夏には疲労回復が期待できる食材を使ったり、食欲が落ちぎみでも食べやすいように味つけに工夫したりと、その時季の体調をととのえることを意識してメニューを組み立てています。お店のインスタグラムで献立の裏話や栄養のことなどをアップしているので、よかったらのぞいてみてください」と綺華さん。
「お店にいらした30代くらいのお客様が、次はお母様を連れて来店されました。『おいしくて体にいいから、母にもここの料理を食べさせたくて』と。その逆で、同じ理由から常連の年配のお客様がお子さんを同伴されることも。自分の大事な家族に食べさせたい。そう思ってもらえることは、このうえなくうれしいです。『食べる物が、その人の健康を育む』。私たち夫婦が大切に思ってきたことをお客様も実感してくださり、その輪が広がりつつあるということ。これからもヘルスパフォーマンスの高い麹料理が気軽に食べられる、居心地のいい店であり続けたいと思います」
住所:大阪府茨木市西駅前町6-23 2階
TEL:072-665-9121
営業時間:11:30〜16:00 / 17:00〜22:00
*不定休、かつ営業時間が変動することも。インスタグラムなどでご確認ください。
URL:https://cozy-beyond.favy.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/__cozy.beyond/