私らしく、美しく(医食同源)。

心の健やかさと食べるということ

2013/05/17

編集担当ノブエとミヨコが、「食」「習慣」「日本」「伝統的な暮らし」などをテーマに、専門家を訪ねます。

ミヨコ:眠いなぁ。どうも調子が出ない。五月病かなぁ。

ノブエ:大丈夫?

ミヨコ:うーん。春から環境も変わったし、どうも調子が出ないんだよね。

ノブエ:気分的に沈んでしまったり、イライラ落ち着かなかったり、そういうことってあるよね。今日も一井先生に聞いてみよう。

甘いものが無性に食べたくなるのは

ミヨコ:一井先生、なんか調子が出ないんですけど、どうしてでしょう? ちょっとイライラするし、集中力もない感じです。

一井先生:そういう時ってミヨコさんはどうしていますか?

ミヨコ:うーん、何かを口にしたくなるんですよね。チョコレートとか甘いものを。なんか疲れがとれるような、がんばれるような気がして。

ノブエ:わかる、わかる。チョコレート、常にデスクに入ってる。

一井先生:そういう人、多いと思いますよ。でもね、もしかしたら、それを止めることで調子を取り戻すことができるかもしれませんよ。

ノブエ:え? そうなんですか?

一井先生:二人は交感神経と副交感神経って言葉を知っていますか?

ミヨコ:よく聞く言葉だけど…。

一井先生:とても簡単にいうと、交感神経は、活動している時や、緊張している時、ストレスを感じている時に優位になる神経。副交感神経は、休んでいる時や、リラックスしている時、眠っている時に優位になる神経のこと。この2つは、交互に働くようにできています。そして、食べる時というのは、副交感神経が優位になるのです。イライラする時に、食べたくなるのは、無意識に副交感神経を優位にしようとしているのかもしれませんね。

リラックスして食事をすることの大切さ

一井先生:ランチはどんな風に食べますか?

ミヨコ:最近、忙しくてパソコンの前で、ささっとすませることが多いかもしれませんね。

ノブエ:忙しい時ってそうなることあるよね。ランチだけでなく、夜もなかなか落ち着いて食べられなかったり……。

一井先生:仕事をしている時は、緊張した状態だから交感神経が働いているのですが、ランチになるとリラックスして、副交感神経が優位に。そしてまた気分を切り替えて仕事に戻る、というように交感神経と副交感神経は交互に働かせる必要があるんです。でもランチ時や仕事が終わってからも、うまく副交感神経を優位にすることができず緊張状態が続いていると、人は刺激を欲するようになるんですね。それが人によっては、コーヒーだったり、チョコレートだったりします。それらを摂取し、刺激を与えることで無理にでも副交感神経を優位にしようとしているのです。

ミヨコ:思い当たる節が…。

一井先生:それからランチ後、食べ過ぎてボーッとしてしまい、頭が働かないってことも経験がないですか?

ミヨコ:ありますー。

一井先生:それは緊張が緩みすぎて、副交感神経が優位になりすぎたということなんです。

ノブエ:私は空腹時の方が仕事の能率があがるような気がします。

一井先生:食べることで、胃に血液が集まるため、頭の働きが鈍くなるからですね。

ノブエ:そういうことですか。

一井先生:では、甘いものを常に食べる癖はついていませんか? 甘いものを常に食べ続けていると、砂糖中毒のような状態になってしまうんですよ。

ノブエ:砂糖中毒ですか?

一井先生:そう。私は砂糖も、カフェイン、ニコチン、アルコールなどと同じくらい、ある種の刺激物だと思っています。そうした刺激物には中毒性があるんです。

ノブエ:砂糖も刺激物…。

一井先生:砂糖の過剰摂取は、エスカレートすると「低血糖症」を引き起こします。人の体は糖分が入ってきて血糖値が上昇すると、それを押さえようとインスリンが出るのですが、低血糖症とはそうした状態を頻繁に繰り返すことで膵臓の働きがおかしくなり、インスリンが出過ぎてしまう状態のことです。なんと成人した日本人の約40%が低血糖症だという調査結果もあるんですよ。そして、この低血糖症になると、イライラや不安感、忘れっぽい、不機嫌、集中力がない、疲労感、そして常に甘いものを欲するなどの症状を訴えると言われています。

ミヨコ:うわぁ。なんか症状がぴったりな気が…。

一井先生:もしそうなら、休む時にはしっかりと休んで、リラックスして食事をいただき、副交感神経を優位にすること。その上で、血糖値を急激に上げるような砂糖をたくさん含んだ食品を食べ過ぎないよう意識した方がいいかもしれませんね。ただ、脳は糖質をエネルギーとして働きますから、抑えすぎもよくありません。うまく精製度の低い茶色い砂糖などを上手に活用してくださいね。ビタミン、ミネラル、食物繊維などが多く、急激に血糖値が上がることがないため、インスリン分泌が過剰になるのを回避することができますよ。

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