発酵を訪ねる

大自然が育む豊かな食文化を巡る@長野県・大町[前編]―
マルコメの天然醸造味噌蔵「美麻高原蔵」へ

2018/07/19

大自然が育む豊かな食文化を巡る@長野県・大町[前編]―マルコメの天然醸造味噌蔵「美麻高原蔵」へ
大自然が育む豊かな食文化を巡る@長野県・大町[前編]―マルコメの天然醸造味噌蔵「美麻高原蔵」へ

北アルプスの麓にある長野県・大町市。黒部ダムをはじめとする日本有数のダムが集まり、水資源が豊かで水の美味しい場所として知られています。今回は、そんな大町の東部、標高1,000mに近い美麻高原にあるマルコメ株式会社の天然醸造味噌蔵「美麻(みあさ)高原蔵」を中心に、併せて訪れたい近隣のお食事処の紹介も含めて、食にまつわる魅力を2回にわたってお届けします。まず前編は、一般の方も見学可能な美麻高原蔵の体験施設をレポート!

1年中空調いらず。味噌にとって快適な空間

美麻高原蔵の周辺からは、南アルプスや木々の緑が一望できます。

美麻高原蔵は、長野市内のマルコメ本社工場で仕込まれた味噌を長期低温熟成するための蔵。2017年10月30日、一般の方を対象に味噌づくりや味噌の食べ比べができる体験施設として、元々あった2つの蔵の1つを改修してリニューアルオープンしました。
近年は、白馬村など近隣の観光地への注目が高まっているため、外国人観光客の来訪も増えているそうです。

美麻高原蔵の入り口。

取材当日は初夏の朗らかな陽気だったというのに、施設内に入るとひんやり。エアコンが効いているのかと思いきや、この施設には空調設備がなく、温度管理を一切していないというから驚きです。
しかし、それもそのはず。ここは標高が1,000mに近い土地。真夏も冷房いらずの、味噌の長期熟成に最適な空間が1年中保たれているのだそう。暑い季節に、この清涼感はたまりません。

蔵の味噌づくりに必要な3つの条件

館内には、味噌の製法や歴史を学ぶための資料やパネルが展示されています。蔵長の小出さんが、美麻高原蔵についてわかりやすく、ユーモアたっぷりに解説してくれました。

マルコメ株式会社 蔵長の小出さんが、蔵について説明してくれました。

マルコメ工場で仕込まれた味噌が長い期間をかけて美麻高原蔵で熟成されるのですが、そこで重要となってくるのが、この蔵の環境と熟練の職人技。それらなくして、深い味わいの味噌はうまく出来上がりません。
そして、もうひとつ忘れてはならないのが、味噌を保管するための木樽。蔵の味噌づくりを支える、大きな役割を担っています。

かつてマルコメで使われていた木樽。
今では、こういった昔ながらの木樽を作る職人も、ほとんどいなくなってしまったそう。

160年前のマルコメ創業時に使っていた最古の木樽は、入り口付近に展示中。

美麻高原蔵では、長野県の最南端に位置する根羽村(ねばむら)で育った、根羽杉で作られた木樽が使用されています。大人2人くらいならすっぽりと収まってしまいそうなほど大きい木樽で、ひとつ作るのにもたいへんな手間がかかるそうですが、蔵では現在もこの樽を使った味噌づくりが続けられています。

現在使用している木樽の断面。大きい!

ちなみに、この根羽杉の木樽で仕込んだ、2年熟成の800kgの味噌。今なら樽ごと100万円から購入可能とのことで、興味のある方は検討してみては?

味噌はどのように作られる?味噌づくりを体験

美麻高原蔵について一通り説明を受けたら、次は味噌の手づくり教室がスタート。味噌づくりの流れについて、小出さんや職人さんたちがレクチャーしてくださいます。

一般的な味噌は、大豆と米糀と塩が原料。煮大豆をひたすらつぶし、すべてつぶし終えたら米糀と塩を混ぜ合わせて容器に詰めるという、基本的な味噌の仕込み作業を行いました。

参加した方々は、和気あいあいとおしゃべりしながら仕込みます。

美麻高原蔵オリジナルの保存容器に入れて、仕込み完了!

しかし、これだけで味噌は完成しません。大切なのはここから!ここで仕込んだ味噌を自宅に持って帰り、じっくり熟成させるという工程が残っています。各家庭の環境にもよりますが、夏場であれば約2ヵ月、冬場なら4〜6ヵ月で完成するそうなので、それまで大切に育てましょう。

味噌にまつわる豆知識の数々に目から鱗!

味噌づくりを体験した後は、熟成期間の異なる3種類の味噌を食べ比べます。この日は、2ヵ月・2年・3年熟成の味噌を試食。
2ヵ月熟成の味噌はまだ尖った塩気が舌に残りますが、2年物、3年物と、どんどん味がまろやかで深くなっていく感覚を楽しめました。

(左から)2ヵ月熟成、2年熟成、3年熟成の味噌。色のグラデーションも明らか。

その後に、2年熟成と3年熟成の味噌で作った味噌汁を試食してみると、その味の違いにびっくり!味噌の色からしてそれぞれ別物なのは一目瞭然ですが、さすがに3年物は、市販の味噌ではなかなか味わえないような深くて複雑な味わい。甘みと旨み・コクがギュッと詰まっています。これだけで日本酒が進んでしまいそうな、主役級の味噌でした。

2年熟成、3年熟成の味噌で作った味噌汁を試飲。

ちなみに、味噌づくりからは離れますが、味噌にまつわるミニクイズのコーナーで教えてもらった「市販の味噌の正しい保存方法」に関する豆知識は、非常に勉強になりました。味噌づくりのプロセスだけでなく、普段自宅で使っている味噌を長くおいしく食べるための、目から鱗なコツをたっぷり知ることができます。詳しくは、美麻高原蔵に足を運んで、直接聞いてみてください!

ここでしか買えないお土産と稀少な味噌

味噌づくり&味噌の食べ比べ体験が終わった後に訪れたのは、美麻高原蔵の売店コーナー。ここでしか手に入らない限定商品もあり、特に熟成味噌の量り売りはここでしかできないそう。見学の際はチェックすることをお忘れなく!

量り売りの味噌は自分で計量。

鯖の味噌煮缶や味噌玉づくりキットといった物もそろっており、お土産にもぴったり。見ているだけでテンションが上がってしまいました。

夏は涼しく、冬も美しい雪景色を堪能できる美麻高原

マルコメの「発酵食アンバサダー」であるモデルのミランダ・カーも美麻高原を来訪!
そのときの写真や手形、サイン入り木樽が飾られています。

味噌に関する知識と、美味しいお土産をたくさん持って帰ることのできる美麻高原蔵。味噌の手づくり教室や味噌の食べ比べを含めると、所要時間は2時間強くらいでしょうか。日本が誇る健康食として味噌が世界的にも注目を集めている今、四季折々の美しい表情を見せてくれる美麻高原で、味噌の文化や魅力にぜひふれてみてください!

後編では、美麻高原蔵に来たらぜひ味わってほしい、長野県・大町市の絶品グルメをご紹介します。

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