発酵に恋して。

ポリ袋だけでOK!料理研究家・杵島直美さんの現代風
「発酵食レシピ」

2019/11/25

ポリ袋だけでOK!料理研究家・杵島直美さんの現代風「発酵食レシピ」
ポリ袋だけでOK!料理研究家・杵島直美さんの現代風「発酵食レシピ」

近年、塩麹やぬか床などが注目を浴び、改めてその魅力が見直されている発酵食品。しかし、いざ自分で手作りしようとすると、「難しそう」「容器などの道具がない」「たくさん作っても余らせてしまいそう」といった理由から、躊躇してしまう人も少なくありません。

そんな不安を解消してくれるレシピを考案したのが、料理研究家の杵島直美さんです。杵島さんは、2019年7月に「ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ」(青春出版社)を上梓。ポリ袋を使うことで、手間がかからないのはもちろん、保存場所や作り過ぎにも困らないなど、たくさんのメリットがあるのだそうです。
そこで今回は、「昔ながらの保存食を作るのが得意」という杵島さんに、発酵食の魅力と、ポリ袋を使って手軽に作れる豚汁レシピを教えていただきました。

子供のころから身近にあった
発酵食

料理研究家・村上昭子さんを母に持つ杵島さんにとって、発酵食品は幼いころから身近な存在だったといいます。

「生まれたときから家にはぬか床がありましたし、母は毎年夏になると梅干しを、秋から冬にかけてはたくあんや白菜を一斗樽で漬けていました。私も子供のときから手伝っていたので、それらが発酵食品だと意識することもなかったんですよね」

とはいえ、ふと気付けば日本の家庭料理でよく使う醤油や味噌、みりん、お酢といった調味料は発酵食品。さらに、近年の発酵食品ブームに加え、みずから定期的に開催している「味噌づくり教室」や「漬物教室」を通して、発酵食品を「自分で作りたい」と思う人が増えていることを実感していたそうです。

料理研究家の杵島直美さん。

「発酵食品って、やっぱり日本人のDNAに合っているんだと思います。エスニックとかイタリアンとかもいいですけど、毎日食べたいと思うのは和食だったりしますよね。その中でも、昔ながらの発酵食品を自分で作れたら、すごく楽しいはず。ただ、いざ作ろうとしても、漬ける容器がなかったり、これまでのレシピだと分量が多くて保管する場所に困ったりと、結構ハードルが高いと思うんです。それをもっと手軽に、少量でも作れる方法はないかと思ったとき、密封ができる『ポリ袋』で作るのはどうだろうと思い付いたんです」

そんな思いから生まれたのが、杵島さんの新刊「ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ」でした。

毎日作りたくなるアレンジ
自在のレシピ

この本では、味噌やぬか床、塩麹といった日本の伝統的な発酵食品の作り方のほか、酒粕、麹、醤油、ヨーグルトといった発酵食品を使った発酵床に漬け込んで作る料理など、さまざまなレシピを紹介しています。
そして、これらのレシピ開発中、杵島さん自身にも新しい発見があったそうです。

「味噌やぬか床に関しては、私はいつも昔ながらの大きな容器で作っていたので、正直ポリ袋で大丈夫かしら…なんて思っていたんです。でも、試しにポリ袋を使って作ってみたところ、十分本格的な味ができることがわかりました。
中でも、画期的だと思ったのはキムチです。手作りキムチはおいしいんだけど、台所で作るとにおいがずっと残っちゃうんですよね。それが、密閉性の高いポリ袋で作ることで、においの問題も解消。これからは、食べたいときに食べたい分だけ作れるなって思いました」

著書を手に、レシピを振り返る杵島さん。

また、汎用性があることも今回のレシピの特徴です。

「発酵食品を使った漬け床として、本の中では酒粕、麹、味噌、醤油、みりん、酢、ヨーグルトという、7種類をベースにしたレシピを紹介しています。例えば、『鶏むね肉の粕漬け焼き』や『サバのみそ煮』『みりんじょうゆ漬けのレバニラ』など、それぞれひとつの料理としてのレシピを掲載していますが、一度作ってコツがわかったら、鶏肉を豚肉にしたり、サバをイワシやブリにしたりと、食材を好みの物に変えていってもOK。そうすることで、本に載っている品数の何倍もの料理が作れると思います」

簡単なのにおいしい!
杵島流・ポリ袋で作る
「ゴロゴロ豚汁」

今回は特別に、本にも載っていない発酵食レシピ「ゴロゴロ豚汁」を紹介していただきました。

  • [材料](3~4人分)
    昆布10cm×2枚
    豚肉(肩ロース)1枚(約100g)
    木綿豆腐小2分の1丁(約100g)
    黒こんにゃく小2分の1枚(約60g)
    かぶ中1個(約100g)
    にんじん細2分の1本(約70g)
    生しいたけ中2枚(約30g)
    長ねぎ10cm
    味噌大さじ4
    大さじ1
    4カップ
  • [作り方]
    1. 豚肉は3cm角に切る。豆腐はキッチンペーパーで包み、小皿に乗せて10分ほど置いて水切りしてから、大きめのさいの目切りにする。こんにゃくはちぎって下茹でする。
    2. かぶは皮をむいて、6等分のくし形に切る。にんじんは皮をむいて乱切りにする。しいたけは軸を除いて4等分に切る。長ねぎは小口切りにする。
    3. 密封できるポリ袋に味噌と酒を入れて袋の上からもみ、豚肉、こんにゃく、かぶ、しいたけ、にんじんを加えて、具材に味噌が絡むように再び袋の上からもむ。
    4. 3に昆布を差し込むように入れ、最後に豆腐を入れて平らにならす。
    5. 4の中の空気をしっかり抜いてから口を閉じ、冷蔵庫で5〜6時間以上漬ける。
    6. 袋の中身をすべて鍋に移し、水を加えて中火にかける。
    7. 煮立ったら火を弱め、丁寧にアクを取り、蓋をして中弱火で15分煮る。
    8. 長ねぎを散らしてひと煮立ちさせたら器に盛り、お好みで七味唐辛子を振る。

豚汁というと、豚の薄切りと大根を使ってつくりますが、今回豚の切り身とかぶを使っているのには理由があるといいます。

「ポリ袋を使った発酵食レシピでは、漬け床に一晩漬け込むという工程が入ります。薄切りだと味が染み込みすぎちゃうんです。なので、お肉の場合はある程度厚みがある物で、大きめに切るのがポイントになります。また、大根の代わりにかぶとしたのは、漬け込んだ大根はちょっとスカスカしてしまっておいしくなかったから。そこで、かぶにしてみたところ、これが大正解でした。
ひとつ注意することといえば、今回の作り方だと食材の下処理をしていないので、煮込むときにアクがたくさん出ます。それを丁寧に取り除いてあげることが、おいしく仕上げるコツです」と杵島さん。

出来上がった具だくさんの豚汁は、体に染みわたる優しい味。

「漬け床に昆布を入れただけで、ダシも取ってないのにしっかり味が出ているのには、レシピを考えた私もビックリでした。これまでは定番の作り方で作っていましたが、今では我が家の豚汁もこの方法にしたほどです(笑)。
豚汁に限らず、昔ながらの料理でも、作り方は時代とともに変わっていって当然だと思うんです。『ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ』が、令和の時代に合う新しい作り方を発見するきっかけになったらと思いますね」

杵島直美さん

杵島直美さん

杵島直美さん

料理研究家の村上昭子さんを母に持ち、時代に合った家庭料理を数多く提案。「楽しく作っておいしく食べられる」をモットーに、料理教室の主宰や、テレビ番組・書籍への出演など幅広く活動。著書「ポリ袋だから簡単!発酵食レシピ』(青春出版社)が好評発売中。

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