和食の楽しみ方入門

第一回 和食について基本の“き”

2014/04/11

ユネスコ無形文化遺産に登録され、改めて注目が集っている和食。
日本人にとって身近な存在である和食ですが、実は知らないことも多いのではないでしょうか。
和食の料理人は、一皿一皿に思いや心遣いなど、さまざまなメッセージを込めています。
そうしたメッセージを受け取ることができるようになれば、
いただく楽しみがこれまで以上に広がるはずです。
料理研究家 久保香菜子さんに奥深い和食の世界と楽しみ方を教えていただきます。

会席と懐石 — 同じものなの? 何が違うの?

「結婚披露宴で“カイセキ料理”をいただいてきた」
「料亭のお座敷でいただいた“カイセキ料理”がおいしかったよ」

いきなり漢字テストのようですが、この2つの「カイセキ」、会席か懐石、どちらの漢字を当てはめるのが正しいと思いますか?
実は、どちらも「会席」が正解です。
しかし、同じ「カイセキ」と発音するこの2つの言葉、そもそもどのような違いがあるのでしょうか。「会席と懐石、発音が同じために混乱されやすいですが、実はこれら2つはまったく異なるものです。会席料理というのは酒宴のための食事で、お酒をおいしく飲むための料理です。一方、懐石料理というのは、お茶を楽しむための料理で、混同しないように茶懐石料理ともいいます」と久保香菜子さん。料亭などで懐石料理という字を見たり、「懐石 ○○」といった店名のお店があったりしますが、これは「お茶事の懐石のような気持ちで出しています」という意味を込めているだけで、出てくるお料理のスタイルは会席料理なのだそうです。

会席料理の基本は一汁三菜

会席料理では「五味 五色 五法」が定式となっています。五味とは、甘み、辛み、塩味、苦味、酸味の5つの味付けのこと。五色とは、赤、青(緑)、黄、白、黒のことで、これらを彩りよく組み合わせることで、おいしそうに、季節を感じることができるように、工夫が凝らされています。また、五法とは、焼く、煮る、蒸す、揚げる、生のままのおいしさを活かすの5つの調理法のこと。これらを組み合わせて、料理、盛りつけを行います。

会席料理の献立は、一般に前菜、椀物、刺し身と出てきますが、その基本は、「一汁三菜」。

「一汁三菜とは、味噌汁[一汁]、刺し身、煮物(椀物)、焼き物[三菜]のことです。最近は、一汁五菜や、二汁七菜など、贅沢な献立になることもありますね」と久保さん。菜の数は、三品、五品、七品と奇数で組み合わせることが決められているそう。

「料理が一品ずつ出される場合、まだ前の料理を食べ終えていないうちに、次の料理が運ばれてくる場合があります。こういう場合、焦ってしまうことがあるのですが、無理に急いで食べたり、残っているのにさげてもらったりする必要はありません。ただ、ひとつ大切なのは、熱い料理は熱いうちに、冷たい料理は冷たいうちにいただきたいということ。これが一番のマナーです。何よりもおいしく食べてほしいというのが料理人の思い。お話に夢中になりすぎてお料理を放置したりしないよう、気を付けてくださいね」というのが久保さんからのアドバイスです。

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