発酵マイスターに聞く!知って得する発酵豆知識

発酵食品を合わせて、おいしさも栄養価もアップ!
発酵×発酵のススメ

2019/08/29

発酵食品を合わせて、おいしさも栄養価もアップ!発酵×発酵のススメ
発酵食品を合わせて、おいしさも栄養価もアップ!発酵×発酵のススメ

味噌や醤油、酢といった調味料をはじめ、納豆やキムチ、ヨーグルトなど、私たちの生活の中には数多くの発酵食品があります。
「発酵」の力によって旨みや栄養価が増したそれらは、単体で食べてもおいしい上に栄養価も満点ですが、その栄養価をさらに高めるのにおすすめの食べ方があります。それが、発酵食品同士を組み合わせること。

そこで、マルコメ株式会社 広報宣伝課の発酵マイスター・尾田春菜(おだ はるな)が、発酵食品を組み合わせるメリットや組み合わせ方のコツ、手軽にできるアレンジレシピを紹介します!

発酵食品同士を組み合わせる
メリットとは?

各家庭に必ずといっていいほどある発酵食品。料理に使ったり、そのまま食べたり、普段、何気なく口にしていることが多いと思います。改めて、発酵食品同士を組み合わせると、どんなメリットがあるのでしょうか。

「例えば、ヨーグルトだったら乳酸菌、味噌であれば麹菌や酵母など、発酵食品にはそれぞれメインとなっている菌があります。単品で食べてももちろんおいしく、栄養価も高いのですが、摂取できる菌には偏りが出てしまいがち。

その点、発酵食品を組み合わせれば、いくつもの菌を同時にとることができますし、栄養価もさらにアップします。また、発酵食品同士は味の相性もいいので、よりおいしさが増すんですよ」

どんな組み合わせでも基本的には相性がいい発酵食品ですが、よりおいしくいただくにはちょっとしたコツが必要だといいます。

味の濃さや食品の色が同じような物同士を合わせると失敗しにくいです。後程紹介する甘酒とヨーグルトの組み合わせは、その代表格。また、納豆に、醤油ではなく味噌を加えるのもおすすめです」

発酵食品は、元々保存食として作られている場合が多く、保存性を高めるために塩分量は高めに設定されています。そのため、塩分を多く含む発酵食品同士を組み合わせるときは、漬け込む時間を短くしたり、マヨネーズなど塩分の少ない物を加えて味をまろやかにしたりするなど、工夫しましょう。

発酵は食べ物だけじゃない!

発酵食品の組み合わせといっても、食べ物に限ったことではありません。日本酒やワインのほか、紅茶やプーアル茶、碁石茶など、発酵を利用して作られる飲み物もあります。おつまみやお茶請けに発酵食品を用いれば、それも発酵食品同士の組み合わせになりますよ。

「普段、発酵を意識しなくても合わせている方は多いと思いますが、お酒と発酵食品の組み合わせも、ものすごく相性がいいですよね。このときも、白ワインには色が薄めのチーズ、赤ワインには濃いめのチーズなど、色味で合わせていくのがいいとされています。

和洋を合わせるのもいいですよ。ワイン×味噌や醤油味のフードもおいしいですし、日本酒×チーズも思いのほか合います。一方、プーアル茶や碁石茶は、そのまま飲むと独特の香りや味が気になるという方もいらっしゃいますが、お茶請けとしてお漬物を合わせたり、味噌を使ったクッキーやおせんべいといっしょに食べたりすると、その癖がマイルドになるのでおすすめです」

さらに、意外なところにも発酵食品同士の組み合わせは隠れています。

「なかなか気付きづらいのですが、チーズトースト(パンとチーズ)も発酵×発酵なんですよね。こんな風に、私たちの身近なところに発酵食品同士の組み合わせはいろいろ存在しています。特に、日本食の場合は発酵を利用した調味料も多く、それらを使わなければ料理ができないほど。煮物を作るのも、醤油や酒、みりんなど、多くの発酵食品を組み合わせていることになります。

さらに、日本の調味料は多くの食材と合わせやすいことも魅力。例えば、パンを作るときに甘酒を加えるとしっとりしたパンになったり、味噌を加えるとチーズのような豊潤な香りを持つパンになったり。一見ミスマッチのように思えても、実際にやってみるとさまざまな発見があるのでおもしろいと思います!」

発酵×発酵のおすすめ
アレンジレシピ

「失敗することが少ない」という発酵食品同士の組み合わせ。その中でも、尾田さんが特におすすめする簡単でおいしいレシピをご紹介します!

ラッシー風に仕上がる
「甘酒×ヨーグルト」

まずは、「甘酒×ヨーグルト」を使ったラッシー風ドリンク。
「甘酒とヨーグルトを11の割合で混ぜるだけ」という手軽さがうれしい一品です。

「甘酒とヨーグルトは本当に相性が良くて、ヨーグルトの酸味が苦手という方でも、甘酒を合わせることでおいしく召し上がっていただけます。さらに、ヨーグルトの乳酸菌に加え、甘酒の麹菌、甘酒に含まれるブドウ糖やビタミンB群、ミネラル、アミノ酸といった栄養素もいっしょにとることができます。

夏場などでゴクゴク飲みたいときは、水で薄めたり、氷を入れて溶かしながら飲んだりすると、サラッとした飲み口になるのでおすすめです」

一度混ぜた甘酒とヨーグルトはほとんど分離しないため、作り置きしても大丈夫。その場合は2日程度で飲み切るようにしてください。

スープやカレーの隠し味にも
◎な「チーズ×味噌」

続いては「チーズ×味噌」。

「味噌床にチーズを漬けるという方法もありますが、麹の割合が高くて甘い味噌を使えば、味噌床を作る必要もなく、漬けて和えるだけで、十分おいしい一品になります。

組み合わせるチーズは、プロセスチーズなどたんぱくな味わいの物がおすすめ。1日ほど漬ければチーズの中に味噌の旨みや甘みが染み込みますし、漬け込まなくてもいっしょに食べることでチーズのたんぱく質も併せてとることができるので、栄養価も非常に高くなります。

漬けるのに使用した味噌は、チーズの油分が溶け込んでいるため、味噌汁など和の料理には向きませんが、スープやカレーの隠し味に使ったり、ヨーグルトと混ぜて漬け床にしたりなどの活用法があります」

組み合わせるだけでよりおいしく、より栄養価も高くなるのであれば、試してみない手はありません。今回ご紹介した例を参考に、ぜひ発酵食品同士のマリアージュをお楽しみください!

尾田春菜(おだはるな)さん

発酵マイスター

尾田春菜(おだはるな)さん

発酵マイスター

尾田春菜(おだはるな)さん

マルコメ株式会社広報宣伝課所属。
発酵マイスターに加えてジュニアソイフードマイスターの資格を持ち、発酵食品関連のイベントなどにも多く登壇している。

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