素晴らしき、ニッポンの味噌。

【前編】様々な経験が繋がりたどり着いた「ソトレシピ」千秋広太郎さんの、記憶に残る“父の味”
キャンプ飯の魅力。

2021/10/28

【前編】様々な経験が繋がりたどり着いた「ソトレシピ」千秋広太郎さんの、記憶に残る“父の味”とキャンプ飯の魅力。
【前編】様々な経験が繋がりたどり着いた「ソトレシピ」千秋広太郎さんの、記憶に残る“父の味”とキャンプ飯の魅力。

HAVE A DELICIOUS CAMP!』をテーマに、数々のキャンプ料理を提案する「ソトレシピ」代表の千秋広太郎(ちあきこうたろう)さん。どのようなきっかけで、活動を始めることになったのか、お話を伺いました。

「何かを成し遂げたい」と思い立った
ママチャリ日本横断。

千秋さんの運営する「ソトレシピ」は、キャンプ料理専門レシピサイトhttps://sotorecipe.com/ を中心に、テレビや書籍などの多くのメディアを舞台に活動を行っています。もともとキャンプと料理が好きだったことがきっかけで、それまでなかったキャンプ料理専門のメディアを立ち上げようと2017年からスタート。空前のアウトドアブームで、いまでは引っ張りだこの様子です。

初めて買ったという、自分専用のテント。軽量な山岳用で7年近く愛用しているもの。

「おかげさまで様々な仕事の依頼をいただくことも多くなり“ビジネスキャンプ”が増えてなかなかプライベートでのキャンプができないのですが、来週は久しぶりに家族と行く予定なので、いまから楽しみなんです」

という千秋さんは、現在3児の父。現在の活動につながる最初の記憶も、小学生の頃に家族で行ったキャンプ。

「頻繁に行っていたわけではないのですが、家族5人と犬で自宅の千葉県から車で琵琶湖に行ったキャンプはとても思い出に残っています。驚くほど星が綺麗で感動し、当時はキャンプの知識もないですから、嬉しすぎてそのまま空を眺めながら外で寝てしまい、風邪をひいたという思い出も(笑)」

そんな、子どもの頃の家族と過ごすアウトドアの楽しさが記憶に残っていたこともあったのか、大学生の頃に突拍子もないことを思いついたのだそう。

「学生時代に卒業間近になり、あれ?自分って何も成し遂げてないな、って思ったんですよね。何か“コレをやり遂げた”という自信が欲しいと思い、ママチャリで旅に出てみることにしたんです。ギアもついてないようなママチャリだった理由は単純に予算の問題から。実家の千葉から目指したのは鹿児島でした。途中いろいろなところに寄りながら、ではなくとにかくゴールの鹿児島を目指して、野宿をしたり、各地の健康ランドを巡ったりしながら、ひたすら漕ぎ続けました」

穏やかでのんびりとした雰囲気をまとう千秋さん。

ママチャリでという無謀とも思える計画ですが、さらに驚くのはその日数でした。

「早朝から深夜まで1150200kmくらい漕いでいたので12日間で鹿児島に到着しました。もちろん大変でしたが、達成感があり、やればできるんだという自信もつき、なによりとても楽しかったです。その後、大学の卒業旅行で東南アジアもチャリで旅をし、無事に大学も卒業して就職。その会社を退職するときに、こんどは日本の北を目指そうと思って、札幌まで再びママチャリの旅へ出て、今度は7日間でゴールを迎えました。今の活動であるアウトドアライフのベースになった活動だったと思います」

父の味は「ねぎみそ納豆」と「キャンプ飯」

アウトドアと料理が結びついたのも、子どもの頃の記憶と学生時代の体験が大きかったそう。

「自分の父親は、毎朝必ず納豆料理を食卓に出していました。料理といっても、納豆にネギとみりん、そしてみそで味付けして和えたものなのですが。でも、これが美味しくて、今でも“家の味”といえばこの「ねぎみそ納豆」を思い出すくらい。そしてやはり、家族でいったキャンプでのアウトドア料理の美味しい体験は忘れられません。そんな感じで、僕が料理をできるようになりたいと思うようになったのは、子どものころの思い出からきているのかもしれませんね。大学時代に居酒屋の厨房でアルバイトをしていたのですが、フリーターのスタッフ以上に毎日のように入っていました(笑)」

キャンプはたっぷりある時間も魅力のひとつ。ゆっくりと料理を楽しみます。

ちなみに、現・千秋家の“父の味”はなんでしょうか?

「うちの子も、血が受け継がれているのか納豆が大好き。めかぶも大好きで、毎日のように“めかぶ納豆”が登場します。こんど“ねぎみそ納豆”を作ってあげようかな。また、僕と同じようにキャンプで食べるごはんも好きですね。我が家のキャンプ飯の定番はパエリアなのですが、日常の食卓に登場することもよくあります。ただただ自然のなかで、みんなでごはんを食べるということ自体が、楽しいと感じてくれているようなので、嬉しいですね」

アウトドアを通して、
家族や友人と過ごす時間を
大切にしてほしい。

子どもの頃の記憶、学生時代の経験が繋がり生まれた「ソトレシピ」。今後はどのような活動を目指しているのでしょうか?

Webサイト、InstagramYouTubeなどの自社のメディアを通して、アウトドアライフの楽しさを広めていきたいですね。料理もそうですし、様々なアウトドア活動をされている方もたくさん紹介していきたいと思います。また、おかげさまでメディアに取り上げていただくことも多くなり、よりたくさんの方にソトレシピのことを知ってもらえたら嬉しいです」

アウトドアギアにもこだわりがたっぷり。機能性やデザイン性はもちろん、
千秋さんが一番ポイントとするのは収納性だそう。

さらに、より充実したアウトドアライフの提案のひとつとして、オリジナルのプロダクトの開発も始めたそうです。

「いろいろなアウトドア料理を作るなかで、“もっとこうだったらいいのにな”というアイデアも生まれてきて。たとえば、調理器具の定番である『シェラカップ』。もう少し深さがあればさらに汎用性も広がると思い、金物の町、新潟県燕三条の工場に依頼して『シェラどんぶり』を作りました。そして、もっとおいしくご飯を炊くためにと考えたのが『お釜ヘッド』です。こちらは、初めてクラウドファンディングに挑戦しました。500万円以上の応援購入を達成しました。“キャンプの食事を忘れられない思い出に”をモットーに、食べる時間だけでなく作る時間も快適で楽しい思い出になるようなモノづくりにこれからも挑戦していきたいです」

『シェラどんぶり』(左)と『お釜ヘッド』(右)。
『お釜ヘッド』は、ひっくり返すと、まな板にもお皿にも早変わりする万能アイテム。
https://products.sotorecipe.com/products/018

後編では、この『シェラどんぶり』と『お釜ヘッド』が活躍する、寒い季節にぴったりの、お手軽キャンプ飯3品をご紹介します。

千秋広太郎(ちあきこうたろう)さん

株式会社ソトレシピ 代表取締役

千秋広太郎(ちあきこうたろう)さん

株式会社ソトレシピ 代表取締役

千秋広太郎(ちあきこうたろう)さん

キャンプ料理レシピサイト「ソトレシピ」を運営する他、イベントやテレビ出演、YouTubeチャンネル「ソトレシピTV」など多岐にわたって活動。著書『本当においしいメスティンレシピ』(メディアソフト)、ソトレシピ監修『いつでも!どこでも!ワンバーナーレシピ』(池田書店)、『メスティンBOOK』(山と渓谷社)、『フライパンひとつで絶品!キャンプごはん』(学研プラス)など。
https://sotorecipe.com/

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