素晴らしき、ニッポンの味噌。
みそ汁は最良の養生食!
料理研究家・石澤清美さんがすすめる“薬膳みそ汁”とは?
2026/02/05
みそ汁は最良の養生食!料理研究家・石澤清美さんがすすめる“薬膳みそ汁”とは?
素晴らしき、ニッポンの味噌。
2026/02/05
長年にわたって体にやさしいレシピを紹介してきた料理研究家の石澤清美(いしざわきよみ)さん。中医学や薬膳についても知識を深め、2025年11月には『体と心をいたわる 薬膳みそ汁』を出版。みそ汁は最良の養生食と発信する石澤さんに、薬膳みそ汁について話を伺いました。
家庭料理をはじめ、米粉のパンや菓子、保存食など、体にやさしいレシピを提案してきた料理研究家の石澤清美さん。昨年11月に『体と心をいたわる 薬膳みそ汁』という書籍を出版しました。

Gakkenから刊行した石澤さんの著書『体と心をいたわる 薬膳みそ汁』
毎年みそづくりを楽しみ、発酵に造詣が深い石澤さんでしたが、日本中医学院(旧・北京中医薬大学日本校)で中医学や薬膳についても本格的に学び、国際中医師・国際中医薬膳師・国際薬膳茶師の資格を取得。中医学に興味を持ったきっかけは、家族の体調不良だったそうです。
「私自身はほとんど病気をしたことがないものの、年を取ればどうしても不調になっていく。その前に勉強しておこうと始めてみたら面白かったんです。中医学は人の命に対する哲学のようなもので、日本の漢方や養生のベースにもなっている。現代栄養学は次々と情報が新しくなっていくので、もっと根本を勉強しようと思ったんです。不調を感じた時に腑に落ちる知識があれば対処しやすいし、自分を知るきっかけにもなるかなって」

中医学の教科書。北京中医薬大学の教授から学んだ
最近特に注目が集まっている薬膳は、中医学理論における食養生のこと。薬食同源という考え方があり、食べることは薬を飲むことと同じように大切とされています。そこで毎日の食生活に取り入れやすいものはなんだろうと考えた時に、最適な料理がみそ汁でした。

手づくりの赤大豆みそを使ったみそ汁。みそや出汁は好みのものを使えばいい
「漢方薬を煎じて飲むように、薬膳において基本となるのは湯(たん)、いわゆるスープです。日本人にとってスープといえば、みそ汁。みそ自体が発酵食品で消化にいいし、水の巡りを整える効果もあって、旨みもある。みそ汁なら簡単に作れるし、ごはんがあれば満足できる献立になります。野菜やタンパク質、水分も取れるので、食生活も自然とバランスが整ってくるはず。最近は韓国の韓方も勉強しているのですが、先生に日本には和食があるんだからそれを使うべきと言われて、そうだよなと。どの国にも食養生はありますが、生活に根ざしていて自分の体を整えてくれるものを選ぶのがいいと思ったんです」
薬膳みそ汁を作る際、誰でも取り入れやすいコツは季節の食材を使うこと。
「人は自然の一部であり、季節の流れに沿って生きるというのが中医学的な考え方。季節によって体調は揺らぐので、それを支えるためには季節の食べ物が重要です」

れんこんは五臓を整え、チンゲンサイは水の流れを整えてくれる
2月は最も寒いものの、春に向かって準備をしていくべき時期。植物も徐々に芽吹き始め、心がそわそわと落ち着かなくなる時期でもあります。気が張りやすいので深呼吸や散歩をしてリラックスさせることも大切。おすすめの食材は菜の花や山菜、チンゲンサイなど。
「緑の野菜は体を冷やすものが多いですが、菜の花は温めてくれる。日本の養生でも春はほろ苦いものがいいと言われていて、冬のあいだに寝ていた体を苦みで起こすわけです。とはいっても春の食材だけにこだわる必要はなく、消化を整えてくれる大根もいい。冬にいいと言われる黒っぽい色の食べ物から、春に向かって緑色の食べ物へ少しずつ移していくのがいいと思います」

具だくさんのみそ汁。体を温めてくれる生姜が効いている
2月頃におすすめのみそ汁を作ってくれた石澤さん。豚肉を炒めてから、れんこん、大根、生姜を加え、水を加えてコトコト。チンゲンサイ、白ネギ、みそを加えてできあがりです。
「春先はイライラするので、気の流れを整える食材を。寒いので生姜も入れました。ボリュームを出したい時や元気がない時は長芋を足してもいいですよ。長芋は生薬のひとつで、薬膳ではよく使う食材としておすすめです」
著書では体の不調を食事から改善するために、薬膳の効能を基に組み合わせた多彩なみそ汁レシピが紹介されていますが、みそ汁はあまり気負わずに作ってほしいと石澤さんは語ってくれました。

石澤さんが主宰する料理教室では薬膳を学ぶクラスもある
「余っている野菜を煮て、だし入りみそを溶くだけでもいい。ボリュームが欲しかったらサバ缶を入れてもいいし、気楽に家にあるもので作ってほしいです。作ることが負担になるのが一番よくありませんから」
そして自分の食生活を顧みて、心身をいたわるちょっとしたきっかけに。
「みそ汁っておいしいなと思ってもらえて、マンネリになりがちなレパートリーがちょっと増え、自分が満足できる食事になれば嬉しいですね。温かいみそ汁ってほっとできて、気が巡る感じがする。それって大切なことだと思うんです。現代人は夜寝る時間も遅いし、気が張り詰めている人も多いので、ゆるめてくれる存在としてもみそ汁はいいと思います」
国際中医師、国際中医薬膳師、国際薬膳茶師、ハーバルセラピスト。料理研究家。食べ物と体の関係についての勉強を長年続け、家庭料理をはじめ、お菓子やパン、保存食など、食養生の知識を生かしたレシピを雑誌・書籍などで紹介。著書に『60歳からの「老けない人」の漢方ごはん』『米粉の万能生地 のばして包んで、焼いて揚げて蒸して!』(ともにGakken)などがある。3月には『味つけ冷凍ひとり分 - 使い切り分量がちょうどいい!』(Gakken)が発売。
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