発酵を訪ねる
毎日の健康をサポートする注目のキーワード
発酵性食物繊維の知識を発信するKINNOE
2026/06/11
発酵を訪ねる
2026/06/11
腸内環境やウェルビーイングへの関心が高まるなか、「発酵性食物繊維のおみせKINNOE(キンノエ)」 がオープンしたのは、2025年11月。発酵性食物繊維の正しい知識や、日々の食生活に取り入れるきっかけを提供し、健康に関心のある20~30代の男女をはじめ、幅広い年齢層にやさしく寄り添い、頑張らずに続けられる健康づくりをサポートする目的ではじまりました。

「発酵性食物繊維のおみせKINNOE」は、2004年に廃校になった東京・世田谷区の旧池尻中学校を利用した世田谷ものづくり学校(IID) の事業終了後、2025年7月にグランドオープンしたHOME/WORK VILLAGE にあります。校舎棟の1階は、飲食や物販などのお店を中心に、シェアキッチンや配信スタジオ、ギャラリー、2階にはコワーキングスペースやこども向けのクリエイティブラーニングスクール、3階にはオフィスが入居(屋上には屋上菜園もあり)し、さまざまな人たちが働き、学んでいます。発酵性食物繊維という聞きなれない言葉ですが、「学んで」「買って」「食べて」体験できるお店として発酵性食物繊維の魅力を発信し続けています。

国内唯一の発酵性食物繊維の専門店では、店内にあるパネルで発酵性食物繊維について
学びながら商品を選ぶことができる。
「発酵性食物繊維」とは何か。発酵性食物繊維の普及に携わる森光治(もりこうじ)さんにお話を伺いました。

「発酵性食物繊維とは善玉菌など腸内細菌のエサとなって発酵する食物繊維のことです。この食物繊維をしっかりと摂取することが、健やかな腸内環境を保つことにつながります。しかし、WHO(世界保健機関)が推奨する1日当たりの食物繊維摂取量が25グラムなのに対し、日本人の食物繊維摂取量はどの年代も約5グラムから10グラム不足しているのが現状です。そこで私たちは、食物繊維のなかでも特に発酵性食物繊維を毎日の食事に3グラムプラスする生活をはじめてみませんか?というメッセージを掲げています」
食物繊維といえば、キャベツやレタス、ブロッコリーなど、葉物野菜をイメージする方が多いですが、葉物に含まれている発酵性食物繊維はそれほど多くはありません。実は穀類のほうが、発酵性食物繊維が多く含まれています。しかし、穀類=太るというイメージがまだまだ定着しているようです。
「ダイエットなどのために穀類を控える人もいますが、それによって発酵性食物繊維を摂る機会を逃してしまっているんです。腸内の善玉菌が発酵性食物繊維を食べると、短鎖脂肪酸という健康や美容にいい成分をつくりだしてくれるので、しっかり摂ってほしいですね。偏った食生活にならないように正しい知識をもっと発信していきたいです」

お店のロゴになっているアフロヘアは大腸の絵になっており、善玉菌のエサとなる発酵性食物繊維が摂れる
食べ物が描かれている。

「腸内には40兆個もの細菌が生息しているといわれています。腸内フローラを構成する細菌は大きく分けて「善玉菌」「悪玉菌」「日和見(ひよりみ)菌」の3種類。私たちの体にとって有益な働きをするのが善玉菌、有害な働きをするのが悪玉菌、そしてそのどちらにも属さず優位な方と一緒に働くのが日和見菌といわれています。善玉菌を増やす食べ物を積極的に摂ることが、腸内フローラを整える第一歩。善玉菌を含むぬか漬けやキムチ、味噌、酢、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を日々の食事に取り入れることはよく知られていますが、穀類、根菜類、豆類、海藻類や果物といった善玉菌のエサになる食物繊維を含む食品、つまり発酵性食物繊維と組み合わせて摂ることで、善玉菌を育て、より効果的に腸内環境を整えてくれることはあまり知られていません」
発酵性食物繊維の上手な摂り方は①いろいろな食材から摂ること(腸内細菌の種類によってエサにする発酵性食物繊維が異なるため)②主食の穀類から摂ること(特に全粒穀類)③発酵食品と一緒に摂ることです。

HOME/WORK VILLAGEの近所にある食糧学院特製のチョコレートマフィン。
地域を巻き込んだスイーツ各種も人気商品。
「食物繊維は質の時代と言われています。ただ摂るだけでなく、どんな食物繊維を摂るか。”発酵性食物繊維”は糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防いでくれます。日々忙しく食事の時間も不規則になりがちな人こそ、朝・昼・晩の食事やおやつに発酵性食物繊維を取り入れることで、血糖値上昇の抑制も期待できるかもしれません」

最後に、KINNOEが発信する発酵性食物繊維普及の目標を伺いました。
「発酵性食物繊維を皆さんが日常的に摂取できる世の中になることですね。漢字が並んで難しく思われがちですが、この言葉が当たり前に使われ、私たちが発信しなくても発酵性食物繊維が食卓の選択肢になるといいなと思います。健康のトレンドは時代によって移り変わります。『たんぱく質』が注目されていたように、いまは『食物繊維』の時代になりつつあります。なかでも『発酵性食物繊維』への関心が高まることを期待しています。発酵性食物繊維の摂取は日々の食事で簡単に取り入れられるので、ストイックさは必要ありません。自分の体と向き合って無理なく摂取してほしいですね」
Instagram:@kinnoe_homeworkvillage