甘酒の歴史・読み物

甘酒祭りレポートVol.9
西粂原鷲宮神社 甘酒祭

甘酒祭りレポートVol.9西粂原鷲宮神社 甘酒祭

甘酒を御神饌として一升瓶に納め、神前にお供えする収穫祭

埼玉県南埼玉郡宮代町にある西粂原鷲宮神社(にしくめはらわしみやじんじゃ)は、東武スカイツリーライン和戸駅から徒歩16分ほどの場所にあり、日光御成道(にっこうおなりみち:中山道と日光街道を繋ぐ脇道)近くに鎮座しています。

西粂原鷲宮神社 甘酒祭

宮代町史(民俗偏)によると、もともと西粂原は東粂原と合わせた二村で久米原村という一つの村でした。その鎮守として2社の鷲宮神社がありました。現在はそれぞれの村に分かれた際に、村の名前を冠した西粂原鷲宮神社と東粂原鷲宮神社として鎮座しています。

西粂原鷲宮神社から1.5キロ離れた東粂原鷲宮神社でも、同日に甘酒祭りが執り行われており、こちらのお祭りは『おびしゃ』または10月9日に行われることから『九日祭(くにちさい)』と呼ばれています。

今回は、初穂の稲で甘酒を作ってお供えをする西粂原鷲宮神社の甘酒祭をレポートします。

※本記事は、2018年10月9日に開催された祭りの模様を取材した記事です。

西粂原鷲宮神社の甘酒祭とは

西粂原鷲宮神社 甘酒祭

西粂原鷲宮神社の御祭神は天穂日命(あめのほひのみこと)と武夷鳥命(たけひらとりのみこと)。当社の目の前には日光御成道が通っており、1843年には当時の12代将軍である徳川家慶が日光社参の折に当社で小休憩をした記録が残されているとのこと。この甘酒祭の起源は不明ですが、地元の収穫感謝祭として行われているお祭りです。

前日の午前中に初穂の稲で作った米を炊き、そこに麹を加え、米が浸るくらいの量の水を入れて一昼夜発酵させた甘酒を水や塩で濃さと味を調整し、御神饌として一升瓶に納め、神前にお供えします。

西粂原鷲宮神社 甘酒祭

10年前までは神田(社有田)で稲を育てて甘酒を作っていたそうですが、今では地元のお米を使って仕込んでいます。

甘酒作りや祭りの管理は当番制で行われており、4つの地区(中通り、新田、島、深戸・鎌塚谷)から1人ずつ選任された氏子総代さん4人が担当しています。総代さんの任期は4年制で毎年1人ずつ入れ替わり、古い人から新しい人となる様に伝統を継承し続けているとのことでした。

西粂原鷲宮神社 甘酒祭

祭りの当日は朝から、甘酒の小分けを始め、この時に神様にお祭りする甘酒も一升瓶に詰めます。香りに臭みがなく、やや酸味の利いた果実味のある甘酒でした。

いよいよ神事がスタート!

西粂原鷲宮神社 甘酒祭

式典は13:00から20分ほど執り行われ、甘酒は日本酒の一升瓶と並べられるように供えられていました。祭りの名前は『甘酒祭』と述べられており、まさに甘酒が主役のお祭りです。

式典が終了した後は、集会所に移り、氏子さん達は直会を行い、その間に参拝者へ甘酒を振舞うという流れでした。

西粂原鷲宮神社 甘酒祭

10月9日と祭日が固定であることから、平日開催となった西粂原鷲宮神社の甘酒祭。地域でひっそりと受け継がれている祭りの姿を体験することができ、地域の皆様の温かさを体験できる素敵な時間を過ごせました。


開催日:
10月9日13時から開催(甘酒振舞いは式典後の13時半ごろから)

開催場所:
埼玉県南埼玉郡宮代町西粂原660

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